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Column
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過去のコラム


2007年(平成19年)9月15日

「死に場所」


 男も四十前になってくると「死ぬ時はどこで死ぬのかな」などと考えます。
どんだけ生きられるのかも気にはなるけれど、やっぱり場所である。
病院のベッドだろうか、アパートで孤独死だろうか、はたまた交差点で酔っ払い運転の車にひき逃げされて
「アスファルトって今までこんな近くで見たことなかったな」最後にそう思うかもしれない。
まともに会社勤めをしたことがないから退職金も無い、生活費の足しにもならないような年金も
もらえるのかどうかもわからない、そんな保証のない生活を続けてきた私からしてみたら
病院のベッドで死ねるなんて、なんて贅沢なことなんだろうと思う。
賃貸のアパートなんかで孤独死なんてしてみろ、死体が腐った腐敗臭というのはほんとうにクサいぞ。
嗅いだとたんに涙と鼻水をタレ流しながらゲボが出る。あんまりにもクサ過ぎて尿漏れも起こすかもしれない。
何千ものウジがわいた死体は誰が片付けるんだ、さぞ気持ちが悪いだろう。掃除も大変だ、
賃貸だからまたそれを誰かに貸すんだぞ。御札なんか貼るなよ大家、バレるから。
いろんな人にいっぱい迷惑が掛かるんだな。あー、イヤだイヤだ。

 貧乏人の寿命とは肉体が滅びるまで生きることではなく、金が無くなった時である。
¥58円のサッポロ一番みそラーメンが買えなくなったその時が死ぬ時なのだ。
もう俺は生きられないと悟る。雑草のように一人で死んで行かなくてはならない。
「あ、もしもし、私そろそろ、その時が来そうなんで、あとよろしく」
電話一本で家財とか部屋の退去なんかの手続きをやってくれそうな代行業者が将来いっぱいできたりして。
実際そういう業者は、あるにはあるらしいんだけど。
いや、そんなことはどうでもいいんだ、問題なのは死に場所なんだ。
人は死にたいと思った時に初めて死に場所がないことに気が付く。
一人でどうやって、いかに人に迷惑をかけないようにひっそりと死ねるか、そんな場所が果たしてあるのか。
死んだらすぐに発見してもらわないと困るんだ。クサくなるから。
じゃなかったら誰も来ない森の中とか土の上で死ぬのが自然に帰るので環境問題としてはエコになってよろしい。

 朝、目が覚めた。まだ僕は生きている。
自分の死に場所を見つける為に今日を生きてみよう。
死に場所さえ見つかれば、もっと思いのままに生きて行くことができるだろう。
今日も僕の死に場所は見つからない。はやくしないとその時が来てしまうかもしれないのに。



2007年(平成19年)9月1日

「偶像」


 どいつもこいつも中に出しやがってよー! 避妊をせんか! 避妊を! あ゛!?
タレントのできちゃった婚は今に始まったことではないけれど、あっちもこっちもとなると
まるで盛りがついた犬猫を見ているかのようだ。
「責任を持って彼女のことを幸せにして行きたいと思います」
潔くけじめをつけて男らしい発言をしているはずなのにそのまに合わせの事後報告には誰も良い気がしない。

「この人だったらイケメンだし収入もバッチリだしもう絶対に大丈夫!」
 なにが大丈夫なんでしょうか?
「できちゃった婚の何がいけないわけ?」
ここは日本という国なので嫁入り前の娘が妊娠させられて
「でかしたぞ! よくやった! おい母さん、今日は赤飯だ! はははは!」とか言いながら
万歳三唱してくれるような親なんかおりません。

「彼女も大人なんだし、一人の女なんだから恋だってするし応援してあげなきゃ」
 あ゛!? アンタとは好きの種類が違うんじゃないかな、たぶん。
好きな女性アイドルに男がいたらショックだろ、その当たり前の感情をも否定すんな。
一般的に女性アイドルに男がいるとわかった途端、写真集やDVDなどの売上げは下がるでしょう。
想像してみてください。ファンの前で「みんな大好きーー」とか言ってる人が
ウチに帰ったら男にチンコ入れられてたみたいな。少なくとも俺はそんな人の商品や公演にお金は払えません。
事務所としてもおおごとです。最低でもこれだけの売上げが見込めると踏んで制作費やら何やらの大金を
既に投入しているのです。今更売れませんでしたでは通りません。偶像の世界とはそうなのです。

「恋も仕事も両立したい」
 それは一般の企業に勤めるOLの人達がいる世界でのことでしょう。
偶像の世界の外にいる人達と同じ感覚ではいられません。世界が違うのです。
偶像の世界にいるあなた達は一般の人とは違います。選ばれた特別な存在なのです。
なぜならばあなた達は一般の人とは比べ物にならないくらい飛び抜けて可愛いのですから。



2007年(平成19年)8月1日

「ある暑い月曜日」


「アタシ夏休みに入ったら東京に行ってくる」
 高校2年の終業式の日、近所の幼なじみであるナツミは僕にそう言った。
2コ上の彼氏、タカオが東京の大学に行っているからだ。
タカオという男を僕は知っている。ナツミと僕が通っていた進学塾に居た奴だ。
初めてタカオがナツミに声を掛けてきた時、僕はその場に居た。
いつしかナツミと僕は塾へ一緒に行かなくなったあたりからなんとなく察しはついていた。

「杉並区梅里ってどこ?」「丸の内線ってどうやって乗るの?」「東京の路線図って蜘蛛の巣みたいだね」
 終業式の数日前、休み時間に東京の地図を持って僕のところに聞きに来たナツミはとても楽しそうだった。
どうやらいきなり行ってビックリさせてやる寸法らしい。
今思えばそんな場所なんか教えてあげなければあんなことにはならなかっただろうか。
夏休みに入ったある日、僕が書いた地図を持ってナツミはタカオのアパートのある東京まで行った。
そして尋ねた先で出てきたのは見ず知らずの若い女だった。
「あの・・・・タカオさんは・・・・」
「今居ないけど、アンタ誰?」
「あ・・・・いえ、いいです、失礼します」
頭の中が真っ白になったままポツポツと歩き出し、どこをどう来たのか覚えていないが
気が付いたら新宿歌舞伎町のコマ劇場前の広場でナツミはしゃがみ込んでいた。
しばらくはタカオのアパートに泊まるつもりでいた。ナツミは大してお金を持っていなかった。
ショックで何も考える気にならなかった。

「ねぇ、何ボーっとしてんの? 誰か待ってんの?」
 そこをたまたま通り掛かったセイジという男がナツミに声を掛けてきた。
セイジは都立では札付きの悪が集まることで有名な高校を中退し
歌舞伎町で法外な金額を請求するようなパブで働いている男だった。
「今からごはん食べ行くんだけどさ、一緒に行かない? おごるからさ」
普段のナツミはそんな奴には取り合いもしないのだが、きっとナツミはどうでもよくなっていたのだろう
「別にいいけど」。そう返事をしてしまった。
セイジはペラペラとよく喋る男だった。食事の後、セイジはナツミに浴びるほど酒を飲ませた。
ナツミは酔いつぶれて眠り込んでしまった。セイジは携帯を取り出すと、どこかに電話をし始めた。
「おい、女一人引っ掛けたからよ、お前ら今から来いよ」

 セイジは自分が中退した高校の連中を呼び出した。
目を覚ましたナツミは薄暗い倉庫のようなところで口を塞がれ
足首のところに手首が縛り付けられ、ほぼ全裸の状態で仰向けにされていた。
「ウォーー!!」「ハハハーー!!」
奇声と共に大勢の男がなだれ込んできた。十数人の男が代わる代わるナツミの上に覆い被さっていった。
ナツミの目はどこか遠くのほうを見ているようだった。
数時間前までとはまるで違う静まり返った空気が張り詰める中、セイジは後輩に後始末を命じた。
「おい! はやくやれよ! お前らも楽しんだろ!」
首が絞まっていき、全身の感覚が遠のいていく中でナツミは振り絞るようにつぶやいた。
「お母さん・・・・アタシ死んじゃうよ」。一瞬絞まる感覚が弱くなった気がしたがまたさらに強くなった。
高校2年の夏休みもそろそろ終わりかけのある暑い月曜日、僕はナツミの家に棺が運び込まれているのを見た。

 また暑い夏がやって来ました。
今年も家出をし、都会のアスファルトにしゃがみ込む少女がいます。
ある少女がこう言いました。
「泊まるとこなんかヤラせてやればいくらだってあるよ」
ナニコラ!! スレたフリなんかでクールを装ってんじゃねぇよ! このボケ! ぶん殴るぞ!!
確かに夜中に六本木をうろついているだけで普通の人じゃない気分になれるかもしれないけども
けどそんな一過性の感情なんかにいとも簡単に足を引っ張られないでくれ。
とにかく夏は危険なんだ。ただ気を付けているだけじゃダメなんだ。



2007年(平成19年)7月1日

「2回目の人生」


 時々ふと人生をやり直したいと思ったことはないだろうか。
今までの記憶を残したままで。
もしそうすることができたならどういう人生になるだろうか。
今、世の中が賃金格差であえいでいて「もう一生貧乏のままで終わるかもしれない」と思っているなら
次は小学生の時から猛勉強していい大学に入って資格も取って
一流企業に就職して絶対に会社を辞めないで安定した人生を歩んで行くだろうか。
これから先に起こることをすでに知っているのだから
競馬や競輪などのギャンブルで当てて働かないで暮らして行くだろうか。

 あの人と付き合ったってどうせ別れることがわかっているなら
もう初めて出会ったあの場所であなたに話しかけることはしないかもしれない。
でもよくよく考えてみると今の人生がこうだったからといって別の道を選択したとしても
本来出会うはずだった人にも出会わないし起きるはずのことも起こらなくなる。
今度はその違う道の先がどうなっているのかが全くわからないので
前もってわかっていることにはならないのである。
「自分の人生は自分で切り開く」なんて言葉があるが
実は人生を決めているのは自分ではなくて
自分が決めているように仕向けられているに過ぎないのではないだろうか。

 ところで記憶を残したまま人生をやり直すことができたら絶対にしたくないことがある。
たぶんもう一度80年代を通過することになると思うが
あの時代に足首のところが異様に細くなっているわけのわからないズボンが流行っていたけど
あれだけは絶対に履かない! 何だったんだあのファッションは。
あとテクノカットも絶対にしない! 恥ずかしいんだよ。
なんであの時あのスタイルがおかしいと気が付かなかったのか。私はいまだにそのことを後悔している。



2007年(平成19年)6月2日

「男と女」


 男はどうしても必要なものがあれば一万円のものにも二万円支払います。これを必要経費と言います。
女は一万円のものが五千円になっていたら特に欲しく無くても買ってしまいます。
これをムダ使いと言います。
男と女というものは部分的に一致するところはありますが根本的には相反するものなのです。

 男に負けたくないという一心で男社会の中でバリバリ仕事をしている女の人というのは
果たして男に勝っているのでしょうか。
本当に男に勝ちたいのであれば男が逆立ちしてもできないことをすればいいわけで、
男社会に合わせるのではなくて子供を産むことではないでしょうか。

 男と女の間には友情はあるのか無いのか。
若い人は何回もこのことを確認しようとします。
ですが男と女である以上、表には出さない何かしらの好意というものが必ず存在します。
ねぶたいことを何回もオレにたずねないでください。
「ねぇー、男と女の友情ってあると思う?」
そんなものねーーんだよ! このバカ!!

 男と円満に暮らしていくにはどうすれば良いでしょうか。
それはただ男というものを理解するだけで良いのです。
それすらできない器量の人にはたぶん幸せは来ないでしょう。
では女と円満に暮らしていくにはどうすれば良いでしょうか。
それはただ女というものを理解しなければ良いのです。
一生懸命理解しようとするから上手くいかないのです。

「あしたスカートとパンツ、どっちがいい?」
「スカート」
「えー!? パンツのほうが良くない?」
「いや、スカートで」
男と女というものは根本的に相反するものなのです。



2007年(平成19年)5月1日

「役目」


 人は往々にして目立ちたがりやです。モテたいしチヤホヤもされたい。
だから人は有名になる為に華やかな世界を目指します。
若い頃というのはその時に見たり聞いたりしたことに対して秒速で影響を受けます。恐れることを知りません。
「私にもなれる」そう思えてしまうのです。いや、そんな気がしてならないのです。
「テレビに出てドラマもやってCDも出して歌番組にも出たい」
20代のうちに成功しなくてはならないという切迫観念からたくさんのことを両立しようとします。
日々バイトをしながら「私は普通の人とは違う」と自分に言い聞かせるも
25歳を過ぎたあたりからファンデーションがだんだんと厚塗りになっていきます。
足の指の間もクサくなります。歯にすき間もあいてきます。
今まであれだけ熱心に打ち込んできたことにも突然興味がなくなります。
実際のところはほとんどの人がマネごとの域を出ることはなく、自分で時間切れにして終わってしまいます。
「私には表現の才能はなかった」さも人生が終わったかのような言いぶりをしますが
そもそもあなたに向いていたのはあなたが一番嫌いだと思っていた会社勤めだったのかもしれません。
たったそれだけを知る為に人はずいぶんと遠回りをし、20代の大半をその為に使い果たします。

 人には必ず何らかの役目というものがあります。
生涯をかけて何千何万もの人の命を救うのも役目だし、核爆弾のボタンを押すだけの人もいます。
表現の世界で活躍することが役目である人というのはあらかじめ決められているのかもしれません。
それは3歳の時からかもしれないし40歳を過ぎてからかもしれません。
諦めたら諦めたでいいのです。その先にはまた新たに待ち受けているデスティニーがあります。
今の人生、今までの人生がたとえ不遇であっても
それはあなたがこれから果たすであろう役目の為にはどうしても必要なことなのです。



2007年(平成19年)4月1日

「恋というのは」


 恋をすると人は何でもないことでもすぐに嫉妬をしたりします。
その人のことを独り占めにしたくなります。
彼女が参加した飲み会に男が混じっていたと聞いただけで
いねがむたくなります(胸が痛くなります)
ところてんの太いのを押し出したようなどろっとした吐息が何本も出てきたりします。
恋の病にかかるとか魔法にかかるなどと言いますが
それは一時的に感覚が麻痺するということです。
好きな人の口臭がドブのように臭くても案外受け入れることができます。
服を脱がせてみたら思ったより胸が小さかろうとも大して気にはならないものです。
きっと子孫を残す為に働く機能なのでしょう。
泣いて笑って走って怒って。恋をしてひとしきりクタクタになると人は
「もう好きだとか付き合うとか別れるとかさー、チョーメンドーなんだよねー」
などと余裕ブッこいてわかったようなことを口にします。
そしてそのうちに都合の良さそうな人を品定めし始めます。
恋というものはそんなに楽で居心地の良さそうなところには多分ありません。
もっとめんどくさくてとても不効率なものなのです。
効率的に自分の都合のいい範囲内で割と良さそうな人を選ぼうとしている時点で
そんなものはもう恋とは呼ばんのです。



2007年(平成19年)2月1日

「夢がなくても」


 渋谷区幡ヶ谷で歯科医師の息子が妹に夢がないとなじられたことに腹を立て殺害してしまった事件は
夢という言葉が持つ意味をお互いが狭い意味でしか捉えることができなかったことに起因しているように思う。
「ワタシには女優になりたいという夢があって、あなたが目指している歯科医師というのは
ただ人のマネをしているだけで夢ではない」
さっぱり意味がわからない。
そもそも会社のクレーム対応をしているわけではないので
わけがわからないことを主張している妹に対して正面から正対して真面目に捉える必要はなかったのである。
もしもその兄が
「俺は職業に分類できるようなことを夢にする気なんかないんだよ、アンタと一緒にしないでくれる?」
くらい言えるような人だったらこんなことにはならなかったのである。

 なぜ小学校にも上がらないうちから夢を決めなくてはいけないのか
夢というのは職業じゃないと駄目なわけ?
どうして今夢がない人、まだ夢が見つかっていない人をダメな人だと決めつけるの?
だったら戦争中にしたいこともできずに亡くなっていった人達はダメな人なわけ?
俺のじぃちゃんに謝れ! この無礼者!

 よく事業で成功した社長とかがテレビに出ているのを見ていると
ウチでは夢がある人しか採用しないとか夢が語れない人は成長しないとか夢々うるさいんだけど
そういう人が語る夢に限ってただの職業だったりするんだよね。あれが良くないんだよ。
困るんだよ! 理想と空想の区別もつかない人が夢を語ってもらっちゃあ。
その声高に夢だと言っていることはただの理想なんだよ。
俺が今もなお探しているのは空想なんだ。職業を夢だと言っている人と一緒にしないでくれ。




2006年(平成18年)12月1日

「クリスマス」


 12月になりました。今年もまたアベックがナウいスポットに集まりながら
みんなでイチャイチャしたりするんですか? それってホントに楽しいですか?
去年も同じことを言っていたような気がしますけど別にひがんでいるわけではありませんよ。
無理して盛り上がっている人達を見ているのが恥ずかしいのです。
またそんなことを書いていると
「なに言ってんのよ! あんたのポコチンなんかハサミでチョン切ってドブに捨ててやるわよ! このゲス野郎!」
などという温かい励ましのメッセージが束になって送られてきて鬱になったりもしますが
そういう人はもう読まんでいいです。
こんなわけのわからない読み物にカタいこと言ってるようではダメでっせ。

 でなんだっけ、そうクリスマスね。
この時期は全国的に「アタシのことをどれだけ愛してくれているか」
というのが試される日らしいです(知らんがねそんなこと)
ある男は味なんかわからないその女の為に読み方がわからないビストロを予約し
プレゼントにはFANCIESの25万円くらいのハートシェイプカットのネックレスを購入。
下手に円山町のラブホをチョイスして気分を慨されてはいかんとばかりに
細心の注意を払いグランドハイアット東京を予約するのです。
そこまで贅を尽くしておもてなしをしてもその女がお返しによこすプレゼントというのは
近所のダイエーの2階で買ってきたアクアフレッシュみたいなストライプ柄の
1800円のネクタイだったりするのです(中国製ね)
しかも「あなたに首ったけだよ」の寒いセリフ付き(ヒーっ!)。ね? バカみたいでしょ?
病院とかで履くビニール製の安いスリッパで「スパーン!」と叩かれても仕方ありません。
たとえどんなに可愛いくてもそんな浪費しか生まないような強欲な女は
たぶん好きにはなりませんけども、ホント日本のクリスマスって恥ずかしいですね。
大きなクリスマスツリーに飾られたライトアップイルミネーションを見ながら
「綺麗だね」などと囁く場合には一度後ろを振り返ってからにしたほうがいいかもしれません。
スリッパを手に持ち上段の構えで振りかぶっている人がいないかどうかを。
でも普通にケーキやらささやかなプレゼントを持って彼女のアパートに行って
手料理かなんかでつつましやかに乾杯とかするのは全然いいんですよ。




2006年(平成18年)11月1日

「ロングなスカート」


 女子のファッションの中で認めたくないものがあります。
それはデニムの超ロングスカートです。
あれをファッションと呼んでしまうことにもはなはだ疑問を感じてしまいますが
たとえサイドに深いスリットが入っていて今風にアレンジされていたとしてもダメです。

 ずいぶん前ですがちょっといいなと思っていた女子に呼び出され
待ち合わせをしたことがありました。
彼女はくるぶしまで隠れる超ロングなデニムスカートをバフバフさせながらやって来ました。
ビックリしたのと寒気でタマキンがくるみになりました。
こんな人と新宿タカシマヤのウッドデッキを一緒に歩くぐらいだったら
まだ白か黒のダブダブスウェットにツッカケ姿のオネェチャンと歩いてたほうが
よっぽど人間らしく生きられるはずである。
「そのスカートやめたほうがいいですよ」何度も何度もそう言おうとしたけれど
結局最後までその一言を言う機会はありませんでした。
彼女はその後もきっとそのスカートのせいで多くの幸せを掴み損ねたことでしょう。
超ロングなスカートの破壊力というのはそれほどまでにすさまじいものなのです。
あともう一つよろしくないのがたぶん漫画の影響なのでしょう
自分のことを「ボク」と言う女子もいただけませんね。
一日に多分5マリネラ単位ぐらいで幸せが遠のいて行きます。

 モテるファッションに色気が大切なのは言うまでもないですが
別にミニスカートを履いて脚を見せながら胸の開いた服を着ろと言っているのではありません。
個性とか自己主張を履き違えないことが大切なのです。
ロングなスカートを履くのを辞めるだけで幸せが近づいてきたりするのです。
え?脚が太いから見せたくないだって?
それは寒天ダイエットをしながらオレオクッキーをバクバク食べてるからです。
スカートは履きたいけど脚は見せたくない。そんなぞんざいな考えなんですワタシ。
そう思われてしまっては何もかもが台無しですね。
とにかくスカートの長さには十分注意して下さい。




2006年(平成18年)10月1日

「女の幸せ」


 いつか旅をしてみたい。キャンピングカーに乗って日本全国を巡るのだ。
10年ぐらいかけてのんびりと。
そんなことを言い出すと世の女達は必ずこう言うだろう。
「ありえない」
それはそうだ。女子からしてみたらそんな10年もの時間を費やしてしまったら
あっという間にオバサンになってしまい、女の幸せがどっかに行ってしまうからだ。

 女子が追い求める理想像というのは高学歴高収入高身長の3高だとばかり思っていたが
もうそんな時代はとっくに終わっているようだ。
今は低姿勢低リスク(安定収入)低依存(低束縛)の3低の時代らしい(ナンダソレ?)
3高を射止めたはいいものの口うるさいのが気に入らなかったのか、
はたまた3高が掴まらなかったからハードルを下げだしたのか、
とにかく女子という生き物は働かなくても生活ができる老人ホームのような暮らしがしたいらしい。
そんなのにうっかり掴まってしまったら最後、男の人生はもう終わったも同然である。

 友人の結婚式に出た時に新婦を見て綺麗なお嬢さんだなぁと思ったが
4、5年後に再び見た時にはまるで別人のようなオバサンになっていた。
「何? お前再婚したの?」と思わず友人にマジ聞きしてしまったが
何も聞かずに俺のおごりで飲みに連れて行きたくなった。
私はこれまでにできちゃった結婚というものをした友人には
おめでとうという言葉を使ったことがない。
若くして妻と子供を養い働きバチのような人生を送らなくてはならない友人に対し
心から哀悼の意を込めてご愁傷様と言ってあげることにしている。
結婚記念日とは友人が尊い犠牲となったいわば命日である。
お祝いをするのではなく線香をあげてやるのが正しい。

 古くから日本に伝わる古文書によると、女の幸せとは
「働くことなく何不自由ない生活をさせてくれる者と結婚すること」と記されている(嘘)
昼過ぎにソファーに寝そべり「ザ・ワイド」を見ながらショートケーキを手掴みでむさぼり
「ウホホホ!」と吠えながらブヨブヨの腹をボリボリと掻いている姿を見て親は安心するらしい。
「娘は幸せだ」と。ゲボが出そうになる。近づいてきたら投げ倒すかもしれない。



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